臨床栄養学実習a(担当:松島 照彦 教授)
疾病をもつ患者さんの栄養管理は、管理栄養士のもっとも大切な仕事のひとつです。疾病と栄養の関係について学ぶのが「臨床栄養学」です。講義科目では臨床栄養学ab、臨床栄養管理学abがあります。これを実際に実習する病院実習に加えて、その基礎となる身体審査や栄養法を学内実習として行うのが臨床栄養学実習aです。
実習は6~8人で1グループ、また2人でペアになって行います。身体審査と栄養状態の把握では、ペアになっての脈拍、血圧の測定をおこない、運動や寒冷での変化を調べます。また実際に聴診器を使って、自分の呼吸音や心音を聴いたりします。筋肉や皮下脂肪のつき方は、栄養状態を把握する大切な要素です。超音波測定器や皮下脂肪計を用いて測定し、推計体重、体脂肪率の正しい評価法を実習します。
栄養法の実習では、頭部模型を用いて経管経腸栄養の経路、挿入法や投与法を学び、全身模型を用いて静脈栄養の刺入部位、留置の方法、それとリスクと経路の選択などを学びます。栄養剤の実習では、食品としての栄養剤、医薬品としての栄養剤を自分たちで調合して、「試食、試飲」を行い、食感、味、香の評価を行います。またエネルギー補充および栄養バランスを調整することを目的とした多種の栄養剤について組成、特徴を学びます。
臨床検査の実習では自分たちの尿や血液を採取して、糖尿病などに関係した血糖、尿蛋白、HbA1cや、貧血に関係した顕微鏡での血球の観察を行います。
これらの実習のもう一つの大切な目的は、患者さんの気持ちを理解するということです。病気の痛みや苦しみはもとより、検査を受ける思い、食事の制限を受けるつらさ、患者さんに栄養指導、栄養管理をおこなうにあたっても、患者さんの心に寄り添えるようになることが一番の目的です。これらの実習をふまえて、3年生での病院実習におもむきます。
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